うつ病(内因性うつ病)
うつ病でみられる症状は抑うつ気分(憂うつである、気分が落ち込んでいる)が中心です。
うつ病でみられやすい症状
抑うつ気分(朝がわるく夕方よくなるという日内変動あり)、悲哀感、不安感、いらいら、不眠や過眠、興味関心の低下、集中力低下、自責感、自殺念慮、反応が遅い、倦怠感、疲れやすい、食欲低下、体重減少、性欲低下など
内因性うつ病
病相性の経過をとるいわゆる典型的な本当のうつ病であり、自然経過のなかでも症状が一時的に軽くなったり消えたりしますが、再発することがあります。 うつ病は脳の病気つまり身体の病気であり、素人的な常識では、うつになったというとすぐ何がストレスかと考えがちですが、そうではありません。 脳内に存在するセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の代謝が障害されて発症するといわれています。
病気になりやすい性格
執着気質(仕事熱心、凝り性、正直、几帳面、徹底的など)やメランコリー親和型(几帳面、心からの他者配慮、勤勉、綿密など)が多いといわれています。
発病のきっかけ
何もない事も多いですが、状況の変化に弱いとされています。 転勤、転居、近親者との死別離別、結婚、昇進、仕事の大きい負荷、多忙さを終えた安堵から、などがきっかけになることがあります。
発症しやすい年齢層
30代前後と50代前後に2つのピークがあるとされています。
治療
まずは休養をしっかりとること。 そして、抗うつ療法が大切で精神科医による薬物療法が中心となります。
電気けいれん療法や認知行動療法などを行う事もあります。
精神療法・接し方
- 必ず治る病気だと説明
- 頑張ろうとせずになるべく休養するよう指導
- 重大な決断は避けさせる
- 心理学や心の本は読ませない
- 自殺しないよう約束させる
- 過度の激励はさける
- 症状は一進一退を繰り返しながらよくなっていくと説明
うつ病に関連する問題
仮面うつ病といわれる病態があります。
仮面うつ病
不安、緊張、身体症状などが前景にでていて、内因性うつ病であるにもかかわらず、抑うつ気分、気力低下などがめだたないタイプのうつ病です。
ありうる症状として、頭痛、頭重感、腹痛、下痢、食欲低下、不眠、不安発作など自律神経症状ならなんでも(どれか1つでもよい)。 内科の先生などは、自律神経失調症とくくりがちで、外見上は神経症圏として心気症ととらえてしまいがちです。 診断は、病前性格、発病状況などメカニズムで診断します。治療と対応は、内因性うつ病と同じようになります。
うつ病の予防:うつ病にならないための10か条が提唱されています。
- 今日できる事も、明日にのばそう
- 目標の7割で満足する(目標の引き下げ)
- ほどほどがいいという価値観の切り替え
- 自分の楽しみ(趣味とか)をさがすこと
- 「他人がどうみるか」というよりは、「自分がどうおもうか」を優先する発想の切り替え
- 周囲を見渡す余裕を意識してもつこと
- 休息を楽しむ事。仕事に休息のリズムを入れる事
- 引退しても何らかの役割を持ち続けよう。ボランティアのすすめなど。
- がんばらないこと。責任を引き受けない事
- 良き相談相手をもつこと