今、ドストエフスキーの「罪と罰」を読んでいます。
悪名高き金貸しの老婆を主人公ラスコリニコフなりの正当な理由のもとに殺害を計画し実行するのですが、偶然にもその場に居合わせた、何の罪もない老婆の妹も殺してしまいます。このようなところからお話は展開していきます。
高校2年の時に読んで以来およそ30年ぶりです。
当時、私の尊敬していた心理学者は「ひとのこころを理解したいのならば、ドストエフスキーや神話も含めた古典を読むべきだ」と著書に書いていました。
人間の心理を描写させると、ドストエフスキーがずばぬけている、ということでした。ロシアの文豪へのあこがれと、読むことによって、人の心の深いところ、人間の秘密、すべてがわかるのではといったわくわくした期待もあり、彼の長編を何冊か続けて読みました。
高校2年生の冬休みと春休みをつかって、布団を敷きっぱなしにしてうつぶせになりながらの読書。学生らしい感じがしますね。罪と罰、カラマーゾフの兄弟、悪霊、未成年、白痴、貧しき人々。
読み始めると一気に読み進めました。とはいうものの、内容が難解だったことと、登場人物であるラスコリニコフやスタブローギンのようなパーソナリティの持ち主が私の周りにいる気がしなかったのでイメージがわかず、あまり心に残らなかったです。よく「ドストエフスキー体験」などと語る方がいますが、そのような衝撃は受けませんでしたね。残念ながら。
でも、また読んでみようと思いました。今度はゆっくり丁寧に。もしかしたら、新しい発見があるかもしれないと思いながら。