先日、アメリカの作家ヘミングウェイの小説「老人と海」を読みました。中学時代に読もうとしていたのですが、当時、読んでいてつまらないなと感じ、途中でやめたのを覚えています。
内容は、高齢の漁師が、カリブの大海で巨大なマカジキを一人で捕らえ、帰る途中幾度もサメの襲撃をかわし、帰途に着くというものです。4日間もかかって。
妻を亡くした寂しさに耐え、漁師としての誇りと、自らの人生観、経験などすべてをかけて巨大魚、大自然に立ち向かいます。
年老いた男には、もはや自らを明日に放り投げることはできないのですね。つまり、想定された未来はないのです。過去の誇りと妻に逝かれた悲しみだけ。今とここにすべてをかけ、力を全部出し切る。単純なお話ですが、年を重ねた私には読み終わってなにか安心感のようなものを感じます。日々、目の前にあるものを当たり前のこととしてこなしていく。そんな感じかもしれません。
やはり、中学生にはつまらなさそうですね。共感しづらいかも。ある種の男のダンディズムというようなものが表現されているといっていいのかもしれません。
面白いことに、同じ小説を読んでも、年齢とともに読んだ印象は変わります。
映画などを観ても、似たようなことはありますよね。