睡眠障害・不眠症
睡眠障害・不眠症とは
心療内科・精神科に来院する多くの患者さんは睡眠障害、特に不眠を訴えます。うつ病などの感情障害、不安状態などでは睡眠障害はつきものです。これらの精神疾患によるものでないものを原発性不眠症といいます。寝れないことそのものが悩みのテーマなので神経症性不眠ともいえます。入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などを訴え、1か月以上続き、睡眠障害や寝不足からの疲労感で著しい苦痛を経験し、生活に支障をきたしている場合をいいます。薬物の乱用、服薬などから引き起こされるこのような状態は除きます。
またさらに、概日リズム睡眠障害(睡眠覚醒リズム障害)がしばしば訴えられます。過剰な眠気、または不眠を生じている状態で、患者さんが環境から要求される睡眠覚醒のスケジュールと、本人の一日の睡眠・覚醒のリズムがかみ合わないことで睡眠分断が持続的反復的に生じます。その結果、著しい苦痛や、社会的・職業的、その他の領域で生活機能にいろいろな障害を起こしています。この状態は、無気力、引きこもり、不登校や、スチューデントアパシーなどの状態でしばしばみられます。昼間は寝ていて、深夜になると起きだして、DVDをみたり、ゲームをしたり。職業的に、夜勤や頻繁な交代勤務などによっておこる場合もあるし、また、海外渡航における時差によっておこる場合もあります。
原発性過眠症は、むしろ眠りすぎてしまう場合です。ほとんど毎日、あるいは昼間、このような睡眠エピソードが起こります。この過剰な眠気のために社会生活に種々の支障をきたします。これに対して、ナルコレプシーは、突然の睡眠発作が生じたり、情動性脱力発作が起こるのが特徴です。
また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)になったり、慢性閉塞性肺疾患における肺胞低換気によって睡眠が中断したり、過剰な眠気、または不眠が生じる場合があります。
これらの睡眠障害に対して、睡眠中に悪夢をみたり、あるいは、突然、覚醒するような異常現象があり、これらを総括して睡眠時随伴症(パラソムニア)といいます。悪夢障害、レム睡眠行動障害、夜驚症、睡眠時遊行症などがこれにはいります。
治療方法
リラクゼーションの指導などをするとともに、どうしても睡眠の改善がみられない場合は、睡眠のお薬を使うことになります。ベンゾジアゼピン系の睡眠の薬の依存なども配慮しながら投薬したいとおもいます。
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